旅行の楽しみの一つが、その土地ならではの食べ物。「せっかく高知に来たんだったら、田舎寿司、食べてみて。」「お勧め店、教えるよ♪」
おいしそうでしょ?
高知のご当地寿司について知って、実際に食べてみよう!
田舎寿司とは
田舎寿司は、野菜類が主な材料のいろいろな寿司を盛り合わせたもの。いろいろな栄養素や食物繊維が含まれる。
高知県では人気があって、スーパー、空港のお土産売り場、観光地や道の駅などで簡単に見つけることができる。県外では、田舎寿司のような野菜が主役の寿司はあまり一般的でないと思う。
<追記>
2024年、空港に何度か行くことがあったが、冷凍の田舎寿司が販売されていた。
基本食材
最初に、基本的な田舎寿司(いなかずし)を見てもらおう!
魚介、肉や卵を使わずに、畑や山で採れる野菜などの食材で作るのが田舎寿司の基本形。
定番の田舎寿司は、次の寿司ネタをいくつか盛り合わせたもの。
- たけのこ
- みょうが
- こんにゃく
- りゅうきゅう(ハスイモの茎)
- しいたけ
- いなりずし
田舎寿司は醤油をつけなくてもおいしい。寿司ネタや酢飯がちょうどよく味付けされているからだ。もちろん、お好みで醤油やワサビをつけてもおいしく食べられる。
田舎寿司の酢飯には必ず柚子の果汁が入っている。柚子酢(ゆずす)、高知では柚の酢(ゆのす)とも呼ばれる。
柚子果汁を購入するときの注意点
※100%柚子の搾り汁の製品と、長期保存のために食塩が入っているものがある。原材料ラベルをチェックして、必要な方を選ぼう。
「ハチミツゆず・ゆず酎ハイ」などドリンク用には、塩なしを必ず買うこと。塩入りのジュースはおいしくないからね。
田舎寿司ができた背景
高知県には多くの漁港があり、新鮮でおいしい魚介類を各地へ出荷している。特にカツオやサバが良く知られている。
その一方、高知県の面積の84%が森林部で、これは全国1位という山ばかりの県なのだ。
輸送や冷蔵面が発達していなかった昔、山間部に住んでいる人々は、なかなか新鮮な生の「海の」魚介類を手に入れることができなかった。
そこで、海の魚の刺身代わりに山里で採れる野菜類を使った寿司を楽しむようになったという訳。(川の「鮎」の田舎寿司はある)
バラエティー食材
それでも、作る人や地域によっては、魚や玉子も加えて特色のある田舎寿司を作ってきた。
どこでも新鮮な刺身が手に入る今となっても、田舎寿司では、いずれの食材も、煮込んだり、酢で〆たりして、料理が傷みにくくされているのも特長である。
田舎寿司は日常の食事だけではなく、レジャーなどのお出かけ用の弁当として、また、冠婚葬祭のときにも食べる。朝から晩まで、時間が経っても、安全においしく食べられるように工夫された料理なのである。
野菜類の他に使われるのは
- 酢で〆た魚
さば、ひめいち(ひめじ)、たちうお - 玉子
「玉子巻き」や「海苔巻きの具」で使われる。 - ようかん・ニッキ味で薄いピンクの寒天(薄い緑の寒天もある)
上の写真の白い寿司が太刀魚
ピンクの寒天
小さいけど、太刀魚(たちおお)入り
ひめいち入り。こんにゃく寿司は、ご存じの通り、ギュギュッとした食感。刺身こんにゃくではなく、ごく普通のタイプが使われる。
巻き寿司に、カットしたすまきを入れる店もある。
すまきとは、紅白のかまぼこ。形状は高知特有で、巻かれた跡が付いた円柱状。
高知ならではの寿司ネタ
りゅうきゅう
りゅうきゅう
高知では、ハスイモの茎をりゅうきゅうと言う。
シャキシャキとした食感がいい♪
輪切りにすると白くて、スポンジのような見た目がおもしろい。
高知だと、日曜市で、いくつもの店が販売している。また、スーパーでもよく見かける。
明るい黄緑色と、シャキシャキ食感を生かして、寿司ネタや酢の物にするのが人気。他には煮物や味噌汁の具などにも。
りゅうきゅうの栄養
カリウム、カルシウム、マンガン、食物繊維など
みょうが・茗荷
みょうが
生産量は高知が全国一位
みょうがの栄養
カリウム、ビタミンB1、B2、Cなど
しほうちく 四方竹・はちく 淡竹
田舎寿司に使われるタケノコは上の写真のような一般的なタケノコ(モウソウチク)が使われることもあるが、細長い種類のシホウチクやハチクも使われる。
シホウチクは断面が四角に近い形。
シホウチクやハチクは高知では馴染みがある食材。詰め寿司や押し寿司として、田舎寿司の盛り合わせに加わることが多い。
下は押し寿司を切ったもの(たけのこ寿司で、丸い握り寿司は、めったに無いかもしれない)
シホウチクやハチクは小さいので、寿司にするには手間がかかる。これらは高知で一般的な食材とはいえ、実はこれらのタケノコ寿司を見つけたらラッキー!
やわらかザクザク食感がいいので食べてみてっ☆
ひめいち
全国的にはヒメジと言われる魚を、高知ではヒメイチと言う。元々鮮やかなピンクの魚。
酢で〆たヒメイチ(ヒメジ)が田舎寿司を彩る食材として入っていることがある。
ヒメイチは、小さい魚で、骨を除くなどの下処理が大変らしい。だから、これも見つけたらラッキー!
味もいいぞ!
こんぶ
少し硬めの「コンブ食感」がいいのかも。良くかむと、昆布のうまみが激増する!
こぶ巻き寿司 1貫 100円弱
地味なのに、なぜか、高知のいろいろなスーパーで売っている。安くないのに需要があるようだ
巻き寿司だが、押し寿司のように、硬く詰まっていて、腹がふくれる
ゆずの酢飯と、厚めの昆布が特長
お勧め店【筒井の田舎寿司】
この項目の全ての写真は【筒井の田舎寿司】のもの。
高知県内の次の場所で【筒井の田舎寿司】が買える。
- 日曜市
- 木曜市
- 鏡むらの店 万々店
- 鏡むらの店 リオ店
日曜市
【筒井の田舎寿司】が日曜市に出店している場所は、この時計台のある高知県立高知追手前高等学校の角の交差点の近く。以下のGoogleマップ参照
【筒井の田舎寿司】の店は、上の地図の赤いピン「日曜市」の近くにある。多数の店が道路に沿って二列あるが、【筒井の田舎寿司】は北側の列にある。
なお、この場所のGoogleマップのクチコミは、日曜市全般についてのコメントなので、田舎寿司の情報とは限らない。
以下の日曜市の公式ウェブにある「日曜市べんりマップ」で場所を説明すると、四丁目の東から二件目(北側の列)にある。
詰め合わせのパターンは数種類ある
どれもうまいが、特にお勧めしたいのは「さば入り」だ。
田舎寿司の他にタイミングによっては、味噌、野菜、おはぎ、ようかん、他も販売している。
上下の写真は一つのファイルの裏表。日曜市と木曜市で、このファイルをぶら下げている店が【筒井の田舎寿司】だ。いくつかの店が田舎寿司を販売しているので、これらの表記と地図を参考に行ってみてほしい。
木曜市
木曜市は、県民文化ホールのそばの通りで開催される
鏡むらの店 万々店
店名
鏡むらの店 万々店
(かがみむらのみせ ままてん)
8:00~16:00
※月曜は【筒井の田舎寿司】の出品なし
駐車場 10台
鏡むらの店 リオ店
以下の写真のように、こぢんまりした店
店名
鏡むらの店 リオ店
(かがみむらのみせ リオてん)
火~日 8:30~13:00(2024年7月時点)
Googleマップに記載されている営業日時と異なる。
以下の温泉やレストランもある
駐車場は隣接しているそれらの施設と供用なので広め
たっぷり玉子とハムのサンドイッチ
さばブルー
製造者が農家ということもあって、タケノコやショウガなど、自家製の食材をいろいろと使っている。
自家製ガリは、輸入品と違って、甘さ、味付けが控えめなのに、いい香りで格別においしい♪
寿司としては、わき役なのに、私はガリにも感動した!
サバ寿司全部が、この写真のようにさばブルーだったり、太かったりする訳ではない。素材、部位や〆具合によって見た目や形は異なるだろうが、どれもおいしいに違いない。
香味野菜のバランスがよくて、風味豊かな巻きずし!
このときは、「ふき、ごぼう、にんじん、大葉、ずいき」が入っていたよ。「ずいき」はサトイモの茎
ずいき:↑の写真は調理したもので、繊維の食感がよい。
見た目は地味だが、他の食材とは異なる繊細な香味野菜だ。
他店の田舎寿司と比較して、具(寿司ネタ)が大きいのも好きな点。特にタケノコがたっぷりサイズだ。タケノコの種類(孟宗竹、四方竹、他)は季節や仕込みによって変わるそう。
大きなみょうがの色鮮やかで広い部分を厳選して作られている。(他の店では、色が薄く、小さいものをのせてあることが多い。)
巻き寿司の香味野菜は季節によって変わることがある
以下の写真の巻き寿司の具で、にんじん、玉子の左側に挟まれている緑色の野菜が「いたどり」
「ふき」の替りに「いたどり」が入っていた
「いたどり」は、高知で良く食べられる山菜
シャキシャキ食感と独特の風味がある
絶品の鯖寿司が入っているこの盛り合わせで、税込420円(2022年5月時点)は
絶対に安い。もちろんおいしい~♪
食材が高騰しつつあるのに、まだ値上げされていないのが信じられない
<追記>
2024年7月時点では、500円
でっかい、いなりずし
油揚げが主張し過ぎず、具がおいしい。ちらし寿司かな?
まるまる大きくて食べ応えあり。
最後は甘いもので。
「ごちそうさま」
サバ入 500円(2024年7月時点)
このスライドの価格や詰め合わせの種類は2021年9月~2022年5月時点の情報
【筒井の田舎寿司】のタケノコは、面積が広く、厚くて歯応えも味付けもVery Good!
(他店のタケノコ寿司は、酢飯の量に対して、タケノコがちまちましていることが多い)
上の文を土佐弁で言うと、
「せっかく高知に来たがやき、田舎寿司、食べてみいや。」
「お勧め店、おしえちゃうき♪」